農家が教える野菜の雑学

食べ方、保存の仕方など、意外と知られていない野菜雑学 紹介します

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赤ピーマンのススメ 【パプリカではなく、赤ピーマン】

赤ピーマン、ご存知ですか?

 

「パプリカでしょ?」

違います。

パプリカ は、「パプリカ」という野菜であり

ピーマンとは違う野菜です。

まぁ、かなり近い親戚には間違いないですが。

 

皆さんが普段目にするピーマンは何色ですか?

当然、緑色ですよね。

 

 

ところが、どんな緑色のピーマンも、

熟してくると、赤くなります。

まぁ、イメージで言ってみれば、

柿 です。

柿は、オレンジ色に熟してから収穫しますよね。

 

ピーマンは、逆に、熟す前(緑色の状態)で収穫する。

それが、日本のピーマン農家の大原則になっています。

 

 

さて、赤ピーマン。

味はどうなのか?

 

美味いです。

「コレってピーマン!?甘い!」

という声もよく聞きます。

 

さっき述べましたが、味に関しても、柿と理屈は大体同じです。

当然ですが、熟した方が、甘くなるわけです。

 

以前述べた、「ピーマンの丸焼き」を、

緑ピーマンと、

赤ピーマンで比べてみると、

その味の違いが更に楽しめると思います。

 

あ、赤ピーマンなら、生食(サラダなど)でもいけますね。

 

 

「おい!ピーマン農家!!それならもっと赤ピーマンを出荷しろよ!

 スーパーにもっと並べろよ!!」

と、思われるかもしれませんが、ちゃんとした理由があります。

 

 

まずは

「赤ピーマンはモノ持ちが悪い」

ということです。

当然ながら、若取りした「緑ピーマン」よりも、熟した「赤ピーマン」は

保存に向きません。人間でいうとこの、寿命と理屈は同じです。

ですから、

農家→農協→市場→仲卸→スーパー

という、一般的な流通の中に出してしまうと、

廃棄してしまうリスクが、緑よりも赤ピーマンの方が高いわけです。

これが第1の理由。

 

そして、もうひとつの理由は、

「ピーマンの収穫量が減ってしまう」

という事です。流通ではなく農家サイドの事情ですね。

 

確かに、味は申し分ない、赤ピーマンですが、

要は若取りせずに完熟させるわけです。

通常、花が咲いてから10日程度で収穫出来るピーマン。

赤ピーマンにしようと思うと、追加でもう数日~1週間は時間を要します。

 

収穫までの期間が長くなる上に、

本来、他の若いピーマンに行くはずの栄養が

赤ピーマンに集中してしまうため、

 

1本の木から取れるピーマンの数がかなり減るわけです。

 

【赤ピーマン、どこで手に入るの?】

入手するなら、

自分で家庭菜園

か、

産直市場

のどちらかになると思います。

家庭菜園は、文字通り自分でピーマンを育てて、

赤く色づいてから収穫すればいいだけです。

親戚、友人に「赤くなったやつを頂戴」と頼んでもいいかも(笑)

 

それと、最近は産直市が増えてます。

周りと差別化を図る農家も増えてますし、

前述の「流通」のタイムラグが少ないので、

スーパーよりは劣化しにくい状況です。

 

夏~秋頃の産直市で、赤ピーマンを見掛けたら

手にとって見てください。

 

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